約 2,621,238 件
https://w.atwiki.jp/anipicbook/pages/1369.html
全てのトレーディングカード用サプライ・アクセサリはこちら
https://w.atwiki.jp/railgun-yuri/pages/81.html
4 その後も、白井は佐天に振り回されつつゲームセンターで遊び続けた。 昼食をはさんで一日中遊び続けたためか、自分のゲームの腕も人と対戦できるレベルにはなっただろう、と白井は思う。特にあの最初にやった太鼓のゲーム。慣れてくると佐天に善戦することができたのだけれど、結局は年季の差を見せ付けられた。 「疲れましたね。まだ遊びますか?」 白井が脱落してからしばらく一人でゾンビと戦い続けていた佐天が言った。 彼女はコントローラーを置き、うーんと伸びをする。 「そうですわね……そろそろ行きましょうか。財布の中身も気になりますし」 実際白井の財布には女子中学生が持つには不相応な金額がまだ残っていたが、流石にこれ以上お金を浪費するのは一般的に考えてまずいということはわかる。 佐天とともにゲームセンターの出口に向かう。 一通り遊び終えたゲームの筐体を眺めながら歩くのは、今日一日の思い出が鮮明によみがえってとてもわくわくした。 そうやって感傷に浸りつつ歩いていた白井の目に止まったのは、箱の中にたくさんの人形が無造作に積み上げられている機械。 俗に言う、UFOキャッチャーだ。 白井はその中の人形の一つに目を引かれた。それは熊のぬいぐるみだった。 二頭身の体。だらんと垂れ下がった手。やる気のなさそうな丸い目。 なんというか、かわいい。普段美琴のファンシーな趣味を馬鹿にしている白井だが、この人形には何か不思議な魅力を感じた。 取ってみようかな…… その考えが一瞬頭をよぎり、すぐにそれを否定する。 美琴に子供趣味をやめるよう求めているのに、自分がこんなものを持って帰ったりなんかすれば美琴のことをとやかく言えなくなってしまう。 「どうしたんですか?」 白井の様子がおかしいのに気付いたのか、佐天に声を掛けられた。 「い、いえいえ何でもありませんわ」 無理やりぬいぐるみから視線を外して答える。しかしそんなごまかしは彼女には通じなかったようだ。佐天は先ほどの白井の視線を辿り、例のものを発見する。 「もしかして白井さん、あれが欲しいんですか」 ニヤニヤしながら佐天が言う。 「ち、違いますわ!もしお姉さまがここに居合わせたなら問答無用で取りに行くだろうなーと思っただけですの!」 「じゃあ挑戦してみます?御坂さんのお土産にでも」 「……そうしますの」 そうして出口に向かっていた二人は、歩く方向を変えて商品ゲームコーナーへ向かった。 今日は佐天に翻弄されっぱなしだ。 そう思いつつ、白井は100円玉を機会に投入する。 上下移動マークと左右移動マークが点滅する。流石の白井でもUFOキャッチャーの操作くらいはわかる。……やったことはないけれど。 まずは、目標の位置を確認。 空間移動という能力の特性上3次元上の位置把握は日常的に行っているので、かなり正確に測ることが出来る。 上ボタンを押す。 クレーンがゆっくりと奥へ進む。 じっと移動するクレーンを見つめる。 「……そこ!」 白井はボタンから手を離す。 次は左ボタンだ。 あと20cm……あと10cm…… 狙いを定めてボタンを押す手を離す。 クレーンはゆっくりと下に降りる。もう白井に出来ることはない。あとは天に任せるのみだ。隣を見ると、佐天も真剣な眼差しでクレーンを見つめている。 「あ!」 「どうしてですの!?」 クレーンはぬいぐるみを掴みはしたものの、持ち上げる最中に落っことし、ダクトの上で空のアームが虚しく開いた。 「バランスも位置もきちんと確かめましたのに……」 白井はがっくりと肩を落とす。 簡単そうに見えるが、そう上手くはいかないか。 「ちょっと貸してください」 佐天が横から手を伸ばし、100円を入れる。白井は機械の正面のポジションを譲った。 「今の白井さんのプレイのおかげで機会のクセが大体掴めました」 「わたくしは囮だったんですの!?」 「い、いえいえそんなことないですって」 言いながら佐天はボタンを押した。白井もクレーンの進む先を目で追う。 佐天が手を離したのは、先ほど白井が手を離した場所より若干手前だった。そして更にクレーンは左へ進む。 クレーンが止まった。そしてそのままゆっくりと景品に向かう。 アームがぬいぐるみの胴体を掴んだ。 駄目だ。さっきと同じ。持ち上げきれずに落下するに違いない。 そう思っていた白井は、目の前の光景に息を呑んだ。 「アームが……」 そう。アームが左脇の下と右肩に上手く引っかかっている。 アームが上がっても、ぬいぐるみは安定したままだ。 クレーンがダクトに戻ってくる。アームが開いた。ドサッ、と重いものが落ちる音がした。 佐天は取り出し口に手をいれ、景品を取り出す。 「やった!とれたぁ!」 彼女は満面の笑みを浮かべた。無事景品を獲得した喜びからか、ぬいぐるみを強く抱きしめている。 その可愛い熊のぬいぐるみに思わず見とれそうになり、慌てて目を逸らす。他人のものをうらやましがるなんてそんなはしたないこと出来ない。 「流石ですわね、佐天さん」 白井はぬいぐるみが欲しい気持ちを必死に抑え、笑顔を浮かべた。 「こーゆーのは慣れですね。ちなみに今の取り方はたすきがけっていうんですけど」 ああ、確かに斜めにアームを引っ掛ける様子がたすきに見えなくもない。 「どうぞ」 不意に佐天は軽い口調で言った。 へ? 白井は自分の耳を疑いながら声の聞こえたほうを向く。 「どうぞ。御坂さんにあげるんでしょ?」 佐天は抱いていたぬいぐるみを白井に差し出した。 「わたくしに、ですの?」 「ええ。先にその人形に目を付けたの白井さんですし」 「先ほどあんなに喜んでいらしたのに……」 「あれはゲームをクリアしたことに対する喜びみたいなものですよ。景品が欲しかったわけじゃありませんから。あ、その熊は確かに可愛いと思いますけど」 はい。 佐天は再びぬいぐるみを白井のほうへ押しやった。 それを、おそるおそる受け取る。 そのぬいぐるみは、とてもやわらかかった。 そして、ケースの中に入っていたときよりも数倍かわいくみえるのは何故だろう。 「あ、ありがとうございます。お姉さまもきっと喜ぶと思いますの」 そう言いつつも、白井はそのぬいぐるみを美琴に渡すつもりはなかった。 寮にもって帰ると彼女は絶対に欲しがるだろうが、たとえ愛しのお姉さまのお願いでも絶対に譲るものか。 ――大事にしよう。 白井はその僅かに佐天のぬくもりが残っているぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。 5 佐天はトイレに向かうためゲームセンターから出た。 白井にはすぐ戻るから待っておいてくれといってある。 白井さん……ふふふ。 先ほどのUFOキャッチャーのくだりを思い出し、思わずにやける。 自分がぬいぐるみを取ったときのあの羨ましそうな顔。必死に隠そうとしていたようだが、全部表情に表れていた。あんな顔をされれば譲らないわけにはいかなくなってしまう。 そして白井は最後まで自分がぬいぐるみを欲しがっていることを素直に認めなかった。普段美琴の趣味に口出ししている分、照れくさくていえなかったのだろう。 自分では気付かれていないと思っているのであろう、その様子がなんともおかしくて。 気持ちよく鼻歌を歌いながら地下街を歩く。これだけ規模の大きな建造物なのに、トイレが1フロアに2、3しか設置されていないのは何故だろう。 そのまましばらく歩き、ようやくトイレの標識が見えてくる。さっさと済ませて早く白井さんの所に戻りたい。 佐天が女子トイレに駆け込もうとしたその時。 不意に何者かに腕を掴まれた。 「……へ?」 状況を把握して振り返る前に、佐天は腕を引かれ背中をトイレ横の壁に叩きつけられる。 鈍い痛みに襲われ、思わず目を閉じた。 おそるおそる再び目を開く。その目に映ったのは、いかにも柄の悪そうな男共が5人。 スキルアウトだ。 無用心だった。 佐天は自らの行いを悔いる。 ちょっと考えれば予想できたことだった。 今が夕方であること。 ここは、若者が遊ぶために集まるゲームセンターが数多くある場所で、その中でも特にひとけのないところであること。 こいつらの目的は何なのだろう。 金か。それとも自分の体か。 「嬢ちゃん。痛い目見ないうちにさっさと金出せ」 真ん中にいるリーダー格っぽい男が言った。 ……ストレートな要求どうも。 佐天は内心で皮肉る。 しかしこいつらの要求が金ならば、スマートな解決策がある。 まずこいつらに大人しく金を渡す。 ダッシュで白井のところへ戻る。 白井に追いかけてもらい、財布を取り返す。 瞬時に佐天の脳内でその行動がシュミレーションされた。これなら痛い目に合う必要はないし、財布を失う可能性も少ない。 佐天はポケットから財布を取り出す。 スキルアウトの連中ががやがや騒いでいる。 リーダーらしき男は財布を受け取るため、佐天の肩に押し付けていた手を離した。 その瞬間。 佐天は男の手に思いっきり噛み付いた。 「い、痛ぇええええええええ!」 アステカの魔術師を苦しめた佐天の噛み付き攻撃は、スキルアウトの男に対しては十分すぎるほどの威力を持っていた。 リーダーの周りにいるスキルアウトたちが動き出す前に、佐天は逃走を開始する。 何故自分は一番安全な行動を取らなかったのだろう。 佐天は自身に問いかけた。 スキルアウトに噛み付くなんて、馬鹿げている。逆上させて余計に痛い目に合うのがオチだ。 後ろから男達が叫びながら追いかけてくる。しかし助けに入るものは誰もいない。 自分が逃げているのは、白井が待っているゲームセンターとは逆の方向。 ああ、そうか。 佐天は自分の行動の理由を理解する。 自分は、白井に助けてもらうのが嫌だったんだ。 以前佐天は同じようにスキルアウトに襲われていて白井に助けてもらったことがある。 その時感じたのは、自分と白井とを隔てている、高く、厚い壁の存在。 今日ゲーセンで遊んでいたときは、その壁は完全に取り払われていたと思う。 今自分が白井に助けを求めれば、その壁が再び現れるかもしれない。 それが、佐天は怖くてたまらなかった。 でもそれにしたってさっきの行動は無茶しすぎだった。 先ほどよりも男らとの距離は縮まっている。 全員が鬼の形相で佐天を汚く罵る言葉を吐き続けている。 まずい。追いつかれる。 タバコや酒でぼろぼろの体とはいえ、彼らは年上の男性だ。身体能力で佐天が及ぶはずもない。 肺が苦しいのは敢えて考えないようにしていたが、とうとう息が切れてきた。 走るスピードががくんと落ちる。 それから数メートル逃走したところでコンクリートブロックに躓いた。 荒いアスファルトの床がひざを削り、そこから血が滲む感触があった。 男らに取り囲まれる。 リーダーの男は佐天の胸倉を掴んだ。 「てめぇ……いい度胸してんじゃねーか。めっちゃ痛かったぞ」 とっさで気が付かなかったが、先ほど自分は相手の指を噛んだらしい。男の右手の指からはだらだら血が流れている。 男の息は荒く、目は血走っている。 舐めきっていた女子中学生から手痛い反撃を食らったのがよほど悔しかったのか、本気で怒りを感じているようだ。 まずい。 本気でまずい。 リーダーの男は懐からナイフを取り出した。そして血を流している方の手でそれを掴む。 周りの男らは口笛を吹いたり、殺せと叫んだり囃し立てている。 ここには先ほどのトイレ脇と違って監視カメラが設置されている。それすら省みないほどの怒りなのか、ただの馬鹿なのか。 一瞬考えて、そんなのはどうでもいいことだと考えを放棄する。 自分が傷つけられようとしている事実に変わりはない。佐天にとって一番の問題はそれなのだ。 男は鞘を抜き、ナイフの刃の部分を露出させた。その刃が地下街の薄暗い光を反射し、ギラギラ光る。 佐天の恐怖は沸点を迎えた。 理性の働きが鈍くなり、とにかくこの空間から抜け出そうと必死にもがく。 リーダーの男は側に居た4人に佐天の動きを封じるように命じた。 突然伸びた数本の腕。佐天の体は壁に押し付けられ、一切の動きを封じられる。 男のナイフを持っていないほうの手が伸びる。男は佐天の手首を掴み、自分のほうへと引き寄せた。 まさか……まさか…… 「くッ!」 右手のうち、4本の指に鋭い痛みが走った。男が佐天の指にナイフの刃を押し付けたのだ。 「俺も痛かったんだからな?見ろよこの指」 男のナイフを持つ手からは相変わらずだらだら血が流れている。 男は、ナイフを握る手に力を加えようとした。 その時。 男の姿が、消えた。 普通ならば突然の怪奇現象に戸惑うところだろうが、佐天はそうならない。その現象はこれまでに何度も見てきた。そしてそれが何によるものなのかもはっきり知っていた。 「風紀委員ですの」 目に怒りをたぎらせた、白井黒子が立っていた。 「あ……」 佐天はその場に崩れ落ちた。 それは助けられた安堵によるものではない。 恐れていたことが現実になろうとしている恐怖。 「無事ですの?」 白井が佐天の方を見る。 彼女は佐天の手につけられた切り傷を確認し、息を呑んだ。 そしてスキルアウトの男達の方をもう一度見る。 「念のため確認しておきますが――彼女のこの傷は貴方達がつけたのですね」 白井の声は非常に小さく、相手に届いたかすらわからない。 しかし、その小さい声に凝縮された溢れんばかりの怒りに押されたのか、男達は1歩後ずさる。 「……俺だよ」 空間移動で強引に地面にねじ伏せられていたリーダーの男が立ち上がる。 「文句あっかよおぉおおお!!」 男はナイフを高く掲げ、白井に向かって振り下ろす。 しかしその刃が白井を捕らえることはなかった。 「こちらとしては平和的解決が望ましかったのですけど」 ヒュン、という空気を裂く音とともに男の背後に白井が出現する。 「抵抗するなら実力行使もやむないでしょう。あくまで仕方なくなんですからね。仕方なく」 白井は振りかえろうとする男の頭を思いっきりぶん殴った。 スキルアウトと戦って……いや、これは最早戦いとは呼べないだろう。白井による一方的な攻撃だ。 その様を見て、佐天は7月の出来事を思い出す。 あの時、自分が手も足も出なかった相手を白井はいとも簡単にねじ伏せた。 特殊な能力を持っている1人に対しては少々手こずったようだが、結局佐天のような凡人が思いつきもしないようなビルを倒すというありえない方法でそれを撃破した。 大能力者の白井。 無能力者の佐天。 格の違いを残酷なまでに見せ付けられた。 自分と彼女では生きる世界が違う。自分と彼女の間には高い壁があって、2人は人間として完全に異なっている。 その時はそう感じざるを得なかった。 その壁は薄くなったものの、ずっと2人の間に存在していたと思う。 今日。 白井と一緒に遊んでいる時、白井も佐天と同じ一人の人間なのだと感じた。 太鼓のゲームではしゃいでみたり、人形を欲しがってみたり。 あの時彼女は確かに自分と近くにいた。 壁は存在しなかった では、今は? 佐天は白井の戦いを見る。 白井はスキルアウトの一人の足を払い、転んだところを踏みつけた。 後ろからの攻撃に対し、振り返らずにそれを回避。カウンターを食らわせる。 ナイフの男は既に白井にぶちのめされて伸びていた。 確かに、彼女と自分とは違う。 佐天に力はないし、白井には力がある。 この光景にその事実ははっきりと映し出されていた。 でも。 それを見ても、佐天の心に壁が復活することはなかった。 佐天は自分の心がわからない。 あの時は彼女の戦いを見て、自分から高い壁を築いた。 なのに何故だろう。 同じものを見ているはずなのに、今は頼もしさしか感じない。 6 白井黒子は警備員の詰めどころにいた。 スキルアウトの屑共を警備員に引き渡す必要があったためだ。 ……ふぅ。 白井はため息をついた。 佐天の帰りが遅いので、ちょっと探しに行ってみればアレだ。 当の佐天は、現在警備員による手当てを受けている。ひざをすりむいたのと。指を切りつけられたのとでなんだか痛々しかったが、幸い2箇所とも大した傷ではなかったようだ。 「お姉さまの知り合いに常に不幸不幸言ってる野郎がいますが、あなたもかなり酷い巻き込まれ体質ですわね」 「いやあ、まあ無事だったんだからいいじゃないですか」 佐天はあの後、なぜか妙に嬉しそうににこにこしている。スキルアウトに襲われることが楽しいことのはずないのだが。 「どうしてそんなに嬉しそうなんですの?」 「いやあ、くよくよ気にしてたことがあったんですけど、それが一気に解決しちゃったみたいで」 「……よくわかりませんわ」 「でしょうね」 カツアゲされることがどうして悩み解決につながるのだろうか。白井は首をかしげた。 「終わりました」 佐天の手当てを行っていた警備員が言った。 「あ、ありがとうございます」 佐天は礼を言った。警備員はいいえ、といって白井の方を向く。 「あとはもうこちらにまかせて帰宅していいですよ。ご協力ありがとうございました」 こちらこそ、と白井は頭をさげる。 外へ出ると、もうほとんど太陽は沈みかけていた。 もうどうせ門限には間に合わないだろう。ならいっそもう何時に帰っても同じだ。 「佐天さん」 「どうしました?」 「この後まだお時間があるなら、ちょっとお茶しません?最近この近くにおいしい喫茶店を見つけまして」 「で、佐天さん。注文はお決まりですの?」 「ちょ、ちょっとまってください!メニューにかいてある言葉の意味がわからない!ダージリンとかアールグレイとかならかろうじて知ってますけど、茶葉の種類とかほとんど知りませんって」 「なら知っているのを頼めばいいじゃありませんの。そのほうがいつも飲んでいるのと味を比べるにはちょうどいいですわよ」 白井はテーブルに置かれている小さな鐘をならす。チーンと涼しげな音色が店内に響いた。やってきた店員に佐天はダージリンとチョコタルトを、白井はヌワラエリアと苺のミルフィーユを注文する。 「おしゃれな店ですね」 店員が去った後、佐天が呟いた。 「そうでしょう。誰にも教えたことないんですのよ、ここ」 その喫茶店は、風紀委員の仕事帰りに偶然見つけたものだった。 おしゃれな外装の雰囲気につられて入店してみると、思わぬ良店だった。 内装は常盤台中学ほどわざとらしくない程度に上品で、紅茶とお菓子の味もかなりのものだった。 その店の存在は白井だけの秘密だった。 初春と一緒に来たこともないし、美琴と一緒に来たこともない。 なのに、何故か自分は佐天にここを紹介したいと思った。 「よく来るんですか?」 「週に1度くらい。甘味のとりすぎはよくありませんからね」 「ははは。私も食べるとすぐ太っちゃう人なんでよくわかりますよ」 「好きなものを好きなだけ食べてもあの素敵プロポーションを維持できてしまうお姉さまが憎らしいですわ」 白井はため息をついた。 数分後、注文したものが運ばれてきた。 「ストップ!まずはストレートで飲んでみてください」 早速砂糖を入れようとしている佐天に静止を呼びかける。 「でも私、苦い紅茶とか苦手で……」 言いつつも佐天は砂糖の容器を置き、紅茶のカップを口元に近づける。 「あ…………おいしい」 佐天の表情がほころんだ。 「なんというか、本当の紅茶ってこんな味だったんですね」 白井は安堵する。自分が薦めたものが気に入ってもらえるとやっぱり嬉しい。 白井も自身が注文したヌワラエリアを口に含む。爽やかな花のような香りが口内に広がる。 「たまにはファミレスじゃなくて、落ち着いたこういうところでお茶というのもいいでしょう?」 「はい!あ、でも……そういえばここ、メニューに値段が書いてなかったですけど……」 佐天が不安そうにおずおずと尋ねる。 「わたくしが出しますわ。今日のゲームセンターでのご指導と、このぬいぐるみのお礼ですの」 もう一つ、自分がいながら危険をいち早く察知できず、佐天に怪我をさせてしまったお詫びというのもあるのだが、あえてそれは言わないようにしておく。この和やかな雰囲気をそんなことで壊すのも興ざめだ。 「本当ですか!?ありがとうございます。ならお言葉に甘えさせてもらいますね」 佐天は嬉しそうに紅茶を飲む。 作法も何もなっていない飲み方だが、そんなにおいしそうに飲んでもらえると奢りがいもあるというものだ。 「そういえば佐天さん。この後はもうまっすぐ帰るつもりなんですの?なんだったら送りますけど」 「いえ、ちょっと初春の寮に寄って行こうと思ってます。ご飯作ってあげないと」 「面倒見がいいんですのね」 「いえ、だって私……」 佐天はそこで言葉を詰まらせた。話すかどうか迷っているようだったが、数秒の逡巡の末、遂にその言葉が発せられる。 「初春のことが、好きですから」 白井の思考はしばらく停止した。 「好き、というのはその、どういった意味で?」 「もちろん、キスしたりエッチしたりしたいほうの意味で」 そう、だったんだ。 白井は理解する。 確かに二人の仲は怪しいとは思っていたけれど、そういうことだったのか。 「告白とかはまだしてないんですのね」 「ええ。なんだか怖くて」 「早くしたほうがいいと思いますわよ。初春があなたのことを良く思っていないはずはありませんし」 「でも、女の子同士ですし……」 「関係ないですわ!わたくしもお姉さまも女性ですけれど、いつも堂々とアタックしてますわよ」 佐天は一瞬はっと考え込んだ。 「そのこと、なんですけど。白井さんって本当にそういう意味で御坂さんが好きなんですか?前から気になってたんですが」 白井は目を閉じて考える。御坂美琴――愛しのお姉さまのことを。 彼女のことを思い出すだけで幸せな気分になれる。 彼女の姿が目に映るだけで体が温かくなる。 彼女に優しい言葉を掛けられたり、頭をなでられたりすると、冗談でなく、誇大表現でなしに死んでもいいとすら思える。 「好きですわ。あなたが初春を好きなのと同じように。もしくはそれ以上に。だからあなたの気持ちも痛いほどわかりますわ」 「それ以上ってことはないと思いますよ。私も初春のためなら死ねるって本気で思えますし」 「何ですって!わたくしのお姉さまへの愛情に勝るものなどあるはずがありませんわ!!」 2人でお互いの想い人についてぎゃあぎゃあ騒ぐ。 幸い客は自分たち意外にいないので周囲に気を使う必要もない。 白井にとって初めての経験だった。 女子中学生はいわゆる恋バナというものが大好きだ。しかし普段白井の通っている常盤台中学は女子校で、しかも規則ガチガチのためそんなものにかまけている暇はない。 白井は美琴への思いを思い切り佐天にぶつける。 佐天は初春への思いを思い切り白井にぶつける。 それはなんだか新鮮で、どきどきして、なんともいえない心地いい気分だった。 「白井さん、本当に御坂さんが大好きなんですね」 佐天が唐突に初春について語るのを止めてそう言った。 「当たり前ですわ。普段のふるまいを見ていたらわかるでしょうに」 「喜んでくれるといいですね。それ」 そう言って佐天は白井が膝に抱いている熊のぬいぐるみを指差した。 「差し上げませんわ。お姉さまには」 白井がそう言っても、佐天は驚いた様子を見せない。もしかして最初からその気がなかったと気付いていたんだろうか、と白井は疑う。 「どうしてですか?御坂さんそういうの好きそうなのに」 確かにこれを渡せば、彼女の気を多少引くことが出来るだろう。もしかすると、一日の添い寝くらいなら許してもらえるかもしれない。 でも、このぬいぐるみを渡したくない理由が白井にはあった。 「だって……だってこれは、佐天さんが取ってくださったものですから」 佐天は一瞬面食らった様子だったが、すぐにこう続ける。 「いいんですか?そんなこと言って。白井さんが好きなのは私じゃなくて御坂さんでしょう?」 佐天は茶化すような口調で言った。真面目に言ってるわけではないというのは簡単に判断できる。 「わたくし……」 今日の一日を振り返る。 最初、自分たちはファミレスにいた。 白井が2人きりでどうしていいかわからなかった時、彼女も気まずく感じているはずなのに一緒に遊びに行こうと誘ってくれた。 ゲームセンター。 普段白井がゲームをすることを避けているのを彼女は見抜いていて、気を使ってくれた。 自分はゲームが苦手だと告白すると、付きっ切りで練習を見てくれた。更に彼女のその行動は、「やってあげる」というよりも「白井と一緒にゲームがしたい」という思いからのものだったと感じる。 ぬいぐるみに惹かれていると、いとも簡単にそれを取ってくれた。 彼女はスキルアウトに襲われた後、怪我をさせられるほど怖い思いをしたはずなのに、全然大丈夫だ、と笑っていた。 それがどうしてなのか白井にはわからないが、楽しかった一日を台無しにしたくない、という思いも含まれていたはずだ。 これまでも、いつも白井たちは彼女に振り回されてきた。 でも、美琴が暴走したり、白井と初春が仲違いしたりとネガティブの泥沼に嵌まっていたときに、そこから引っ張り出してくれたのも彼女だった。 白井は、自分の目の前に座っている佐天を見つめる。 向かい合って紅茶を飲む。 朝のファミレスの時と同じ構図。 だがあの時と今では、決定的に何かが違っていた。 その何かが、佐天と白井の間の壁だったのか、それとも他の何かだったのかはわからない。 「……わたくし、もしお姉さまより先にあなたと出会っていたら、あなたを好きになっていたかもしれませんわ」 自然とそんな言葉が口から出ていた。 佐天は「へ?」と言って呆然とした後、顔を真っ赤にしてテーブルに伏せた。 「も、もう白井さん!!変なこと言わないでください!」 「変なことを言った記憶はありませんわ。これまで一緒に過ごしてきて、更に今日一日佐天さんと2人で遊んで、なんだか不思議とそんな気がしただけですの」 佐天はそのまま下を向いて考え込んでいたが、しばらくすると顔を上げて呟いた。 「私も……」 息を大きく吸い、佐天は続ける。 「私も、もし初春より先に白井さんと出会ってたら、白井さんを好きになっていたかもしれないです」 白井は困惑した。自分から振っておいてなんだが、これは反応にかなり困る。 「えっと……ならこれは両想い……なんですの?いや、でもお互い実際に好きになったのは違う人だから……」 白井がそう言うと、佐天は先ほどまであれだけ照れていたのが嘘のように笑い始めた。 「なんか複雑な気持ちですね」 「そうですわね。とりあえずわたくしは佐天さんが今の想い人を射止めるのを祈ってますわ」 「なら私も白井さんが御坂さんと幸せになれることを祈ってます。……あ、そうだ!」 言葉の最後で佐天は、いつも都市伝説の噂をする時のような悪戯な笑みを浮かべていった。 「競争しましょうよ。どっちが先に好きな人のハートをゲットできるか。勝ったほうは、そうですね……次この店にくる時に奢ってもらえるってことでどうですか」 競争……面白い。 要するに、佐天が初春をゲットする前に白井が美琴を口説き落とせばいいということだ。 「その勝負、受けてたちますわ。後悔することになりますわよ佐天さん。わたくしは一刻も早くお姉さまを自分のものにしてみせますので」 「こちらこそ負けませんから」 お互い頑張ろう。 テーブル越しに、白井と佐天は拳をコン、とぶつけた。 7 ふつふつふつ。 鍋の中のおかゆが煮える音が寮内に響く。 佐天涙子はお玉で鍋をかき回し、IHのスイッチを切った。 「へえ。なら佐天さんは今日一日中白井さんと遊んでたんですか」 「うん。楽しかったよ」 初春は「私も行きたかったですー」とか「2人だけで遊びに行くなんてー」とか言いながら、ベッドの上で掛け布団を叩いている。 今日は本当に楽しかった。佐天はそう思う。 白井とこんなに仲良く出来るなんて、今日の朝は全く想像できなかった。 ゲームセンターで無邪気な笑顔を浮かべている彼女も、ぬいぐるみあいてに頬を緩ませている彼女も、スキルアウト相手に凛々しく戦っている彼女も、みんな素敵だった。 佐天の、「初春より先に白井に出会っていたら白井を好きになっていた」発言は、ただの売り言葉に買い言葉ではなかった。 「準備できたよ」 佐天は盛り付けた卵粥を居間に運ぶ。 「ありがとうございます」 そう言って初春はベッドから体を起こした。佐天は器を折りたたみテーブルに置き、更にテーブルをベッドの近くに寄せた。 「いただきます」 初春がれんげで粥を口に運ぶ様子をじっと見つめる。 ふーふー、と息を吹きかけて冷ましている姿がなんともいじらしい。 初春は、そーっと粥を口に含む。 「……おいしいです。すごく」 初春はそう言って佐天に感謝の微笑を向けた。 それを見ていると体がなんだか温かくなって。 自分はこの子のことが好きだ。 改めてそう実感する。 「……ねえ初春」 口にれんげを咥えた初春は返事ができずに首をかしげる。が、佐天は構わずに続けた。 「あとでちょっとだけ話、いいかな」 白井には悪いが、この勝負、勝たせてもらう。 ぶるるるるる、とマナーモードに設定しておいた携帯が鳴る。 白井は宿題のレポートを一時中断し、メールボックスを開いた。 送り主の欄に「佐天涙子」とある。 今日の紅茶代のお礼か何かだろうか、軽い気持ちでメールを見る。 しかし、その内容を見て白井は思わず携帯を落としそうになった。 「な……な……!!」 そこには一言。 「勝負は私の勝ちみたいですね。紅茶ご馳走になります」 そして添付ファイルが一枚。 佐天と初春の濃厚なキス写真だった。 佐天がこんなにも早く行動に出るとは思わなかった。 今日勝負を始めて、今日告白するなんて。 こうしてはいられない。必勝宣言をした以上、絶対に負けたくない。 「今日中なら……引き分けですわよね」 白井は立ち上がり、覚悟を決めてベッドで漫画を読んでいる美琴のほうを見る。 「お、お姉さま」 普段呼びなれているはずなのに、こういう状況だと何故か自然に話すことが出来ない。声が若干裏返ったが、気付かれなかっただろうか 「ん?なに」 美琴が振り返る。お風呂上りの火照った体にクラリときつつも白井は続ける。 「ちょっとだけお話、いいでしょうか」 普段が普段だけに、中途半端な告白ではいつものテンションでスルーされてしまう。 白井は自分のベッドの上で正座した。自身の最大限の誠意だった。 突然着信メロディーが鳴った。 誰だ折角いいところだったのに、と佐天は初春のブラジャーを外す手を止める。 携帯を開くと、白井からのメールであることがわかる。 「あ、白井さんだ」 「私にも見せてください」 初春も一緒に画面を覗き込む。 本文は無かった。 ただ、トマトのように顔を真っ赤にした美琴が同じく頬を染めている白井の頬にキスをしている写真が添付されていた。 ふふ、ふふふ。 どうやら勝負は引き分けみたいですね。 「な、何ですか、この写真!みみ御坂さんが白井さんにキスを!」 初春は顔を真っ赤にして写真を眺めている。佐天はそんな初春の頭をぎゅっと抱きしめた。 自分と初春がこんな関係になっているこの状況は、白井との勝負があったからこそのものだろう。 賭けは無いけれど、今度また白井さんとあの喫茶店に行こう。 そういえば、今頃は常盤台中学寮の室内でもこんな光景が繰り広げられているのだろうか。 白井と御坂の二人に思いを馳せつつ、佐天は初春を引ん剥く作業を再開した。 数日後、妙に仲良くなった佐天と白井が初春と美琴に浮気を疑われたりするのだけれど、それはまた別の話。 Fin 完成度高え!素晴らしい!!黒子と佐天さんはあまり絡みがなくてなぁと思ってたらこのSS!ありがとう! -- 名無しさん (2011-10-06 22 01 46) はぁぁ、キュンキュンしちゃいました!あまりみれないカップリングありがとう -- 名無しさん (2012-12-08 19 59 13) これは素晴らしいと言わざるを得ない 見事です -- 名無しさん (2013-01-14 16 18 37) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kinsho_second/pages/81.html
上条当麻&上条美琴 これで直せましたかね? 今までで - 回いちゃいちゃした。 昨日は - 回いちゃいちゃした。 今日も - 回いちゃいちゃした。 現行スレ Part29 過去スレ __ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ Part1 Part2 Part3 Part4 Part5 Part6 Part7 Part8 Part9 Part10 Part11 Part12 Part13 Part14 Part15 Part16 Part17 Part18 Part19 Part20 Part21 Part22 Part23 Part24 Part25 Part26 Part27 Part28 Part29 Part30 投下ログ __ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ Part1 Part2 Part3 Part4 Part5 Part6 Part7 Part8 Part9 Part10 Part11 Part12 Part13 Part14 Part15 Part16 Part17 Part18 Part19 Part20 Part21 Part22 Part23 Part24 Part25 Part26 Part27 Part28 Part29 Part30 長編(継続) _ _____________ _____________ _____________ 当麻と美琴の恋愛サイド only my 美琴 とある恋人の日常風景 とある実家の入浴剤 未来からうちの子がやってきた Equinox memories fortissimo とある少女のマフラー計画 上条さんがちっちゃくなりました。 memory 例えばこんな三人の関係 とある少女のういういdays とある幼馴染の超電磁砲 素直になったら 白紙の未来設計図 とあるラジオのいちゃいちゃSS 素敵な恋のかなえかた 胸に抱く、想い 恋と嘘と信頼と 君の見る幸福な世界 Presented to you 一端覧祭大騒動 Time enough for Love~愛に時間を Plus Minus とある上琴の未来物語 壊れかけの超電磁砲 『好き』だから…… とある異世界の上琴事情 新約編 とある男女の恋愛生活 とある少年の猛烈恋慕 とある不幸な都市伝説 どっちも負けず嫌い とある2人の放課後喫茶店 居場所 みこにゃんの日常 還ってきてよ… とある世界の名作劇場 クリスマス狂想曲 我が家に妹がやってきた こぼれ話 とある二人は反逆者 とある幼馴染の幻想殺し とある科学の執行部員 記憶鮮明! 育児日記 学舎の園脱出作戦 とある科学の超荷電粒子砲(プラズマ・キャノン) 長編(完結) _ _____________ _____________ _____________ シークレットメッセージ 遊園地デート X-DATE 帰省編 とある学園の執事喫茶 一端覧祭 とある両家の元旦物語 バイト生活 とある子猫な超電磁砲 どこにでもあるハッピーエンド 幸せへと至る道 side by side Daily Life とある未来の・・・ とある宣伝の超電磁砲 11月22日は何の日? こいぬのおくりもの 鶴の恩返し My... とある記憶の消失問題 とある男の本気告白 一本の白き道 ――ふたり―― 上琴の戦い 起きないあいつ 恋する美琴の恋愛事情 未来からの来訪者 わたしのヒーロー とある少年の帰還記念祭 とある10人のハロウィンパーティ 幸福へのプロローグ Love is blind とある少年の告白成就 神(上)の見えざる(右)手 月と彼方と私とサクラ 消えゆくあいつの背中を追って 上琴の奇妙な体験 とある二人の旅行物語 秋終わり、恋は終わり始まる とある不幸なHappy days とある底辺と頂点の禁断恋愛 全力で貴方たちを倒す! if√ とある乙女の小さな願い とあるファミレスのバカップル 被害者 とあるベランダの超電磁砲 御坂美琴の消失 美琴「素直になる…かー」 くっつく さよなら常盤台 短編 __ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ Part1 Part2 Part3 Part4 Part5 Part6 Part7 Part8 Part9 Part10 Part11 Part12 Part13 Part14 Part15 Part16 Part17 Part18 Part19 Part20 Part21 Part22 Part23 Part24 Part25 Part26 Part27 Part28 Part29 Part30 投稿者(固定ハンドル無し) _______ 名無氏 ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ ______ Part1 Part2 Part3 Part4 Part5 Part6 Part7 Part8 Part9 Part10 Part11 Part12 Part13 Part14 Part15 Part16 Part17 Part18 Part19 Part20 Part21 Part22 Part23 Part24 Part25 Part26 Part27 Part28 Part29 Part30 投稿者(固定ハンドルあり) __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z ___ Π ___ Ж ___ ___ ___ ___ → ∀ ◆ ♪ ・・・ ___ ___ ___ ___ ___ __ ___ ___ ___ ___ ___ あ い う え お か き く け こ さ し す せ そ た ち つ て と な に ぬ ね の は ひ ふ へ ほ ま み む め も や ゆ よ ら り る れ ろ わ ゐ ゑ を ん ___ ___ ___ ___ ___ ___ ___ ___ ___ ___ 七 上 久 五 副 夢 寝 小 志 月 木 桜 無 狭 琴 腹 花 蒼 豆 豚 通 陣 鬼 黒 風 澪 一 大 虚 幻 紅 我 謎 明 珈
https://w.atwiki.jp/railgun-yuri/pages/68.html
プルルルル… 佐天涙子はケータイの呼び出し音に気付き、通話ボタンを押した。 「もしもし白井さん?どうしたんですかいきなり」 「ごきげんよう佐天さん。実はあなたに頼み事がありまして…」 「頼み事…ですか?」 「えぇ…実は…」 2日後 午後4時 「久しぶりに佐天さんの家にお泊り…楽しみだなぁ」初春飾利は佐天の家に泊まる約束をしていた。さらに、一緒に夕食を作ることになり、そのための買い物をしていた。 プルルルル… 「あ、電話…佐天さんからだ」 「もしもし佐天さん?どーかしましたか?」 「ごめん初春。ちょっと急用ができちゃってさ、7時頃まで帰れそうにないんだ」 「あ、じゃあ時間ずらして行きますよ」 「いや、なんか悪いしポストに鍵入れとくから先に家で待っててよ。なんなら夕食も作り始めててくれる?」 「わかりました。じゃあ待ってますね」 初春は買い物を済まし、佐天の家にやってきた。 「えっと…ポストに…あ、ありました」 ガチャ… 「おじゃましまーす。…って言っても佐天さんは今いませんけど…」 「いらっしゃい初春」 佐天は小さな声で返事をした。佐天の目に映るのは買い物袋を持った初春。 「頼み事…ですか?」 「えぇ…実は…」 「通販であるものを見つけまして…」 「あるもの?」 「…えっと…着るだけで透明人間になれるという…」「あぁ、たしかこーがくめーさいとか言う…」 「そう!それですの!」 「……まさか白井さん…それ着て御坂さんに何かする気なんじゃ…」 「ギクっ………」 「違いますのっ…風紀委員の仕事をするときに便利かと……」 「あやしい…それで、それがどうしたんですか?」 「それなんですが…最近お姉さまが通販で届く商品を全て没収するようになりまして…」 「あー…」 「ですから、佐天さんの家に一度届けて、後日私が引き取るという…」 「…なるほど。普通に白井さんのところに届けてもらうと御坂さんに見つかる可能性が高いから私のところに届けて、後で取りに行こうと…」 「そういうことですの…どうかお願いしますの佐天さん!」 (うーん……別に構わないんだけど…御坂さんが危険だなぁ……あ、いいこと思いついた) 「白井さん。私の条件を飲んでくれるならいいですよ」 「条件?」 「そのこーがくめーさい、私にも一度使わせてください」 「別に構いませんけど…いったい何に…?」 「秘密です…じゃあそういうことで!」 (せっかくのチャンス!…初春にいたずらし放題!……御坂さんなら、多少何かされても大丈夫だよね…レベル5だし…) そのような経緯で光学迷彩を手に入れた佐天は、初春にいたずらすべく行動しようとした。しかし… 「さて…夕食を作るには時間が早過ぎますし…何をしますかねぇ…」 言いつつ佐天のベッドに腰掛ける初春。 (一人きりの初春が何をするかちょっと気になるな……しばらく様子をみてみるか…) 「……佐天さんのベッド…」 (……?) 「そっか…今佐天さんの家に一人きりなんだ…」 「…佐天さん……」 言いながら、初春はパンツ越しに秘部を触り始めた。(…!?……っ!?) 「佐天さん……佐天さんっ……!」 その秘部を触る手の動きが徐々に速く、激しくなる。「わ…私…ハァ…佐天さんが、ハァ…大好きなんですっ…佐天さん…!」 (嘘…初春……初春が…私を…好き?) 「こんな…こんなこと……しちゃ駄目だってわかってるのに……アッ…」 心に溜まっていたものを全て吐き出すように、初春は悲しげに言葉を漏らし続ける。 「きっと…ハァ……私の気持ちを伝えたら、ハァ…佐天さんは困っちゃう…だから……」 「初春!!」 「!!?…佐天さんっ!?……え…あ…////」 思わず光学迷彩を脱ぎ捨て叫んだ佐天に、驚き徐々に顔が赤くなる初春。 「さ…佐天さ…なんで…」「初春…」 「えと…これは…違いますよ!?…私は佐天さんのこと好きなんかじゃ」 「初春の馬鹿!!」 初春の言葉を遮り、佐天が再び叫ぶ。 「初春の馬鹿!悩んでたのはあんただけじゃないんだよ!」 「え…?」 「私も…初春が好きだから!…だからスカートめくるんだよ!だから今もいたずらしようとしてたんだよ!だから一緒にいるんだよ!」 「佐天…さん…」 「私は初春が好き!」 「わ…私はそれ以上に佐天さんのことが好きです!」「私のほうが好き!」 「私です!」 「………」 「………」 「………ぷっ」 「………ふふふ」 「「あはははは」」 「これからもよろしくね、初春」 「こちらこそよろしくお願いします佐天さん」 「じゃあ、続きしよっか」「…え?続き?」 「……今度からは一人でする必要はないわけだし」 「え?…え?」 「イカせてあげる」 「ちょっ!佐天さん!?どこ触って…ん…あっ……////」 翌日 「ごきげんよう佐天さん。光学迷彩を取りに来ましたの」 「あ、いらっしゃい白井さん。……はい、これが預かってた光学迷彩です♪」 「?」 「どうかしました?」 「いえ…なんか嬉しそうですわね…何か良いことでも…?」 「…別に何もないですよ!…ただ……」 「…ただ…?」 「白井さんはある意味、私の恋のキューピッドになったってことですよ」 「…?」 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/3381.html
【種別】 施設 【初出】 とある科学の超電磁砲第二十七話 【解説】 学園都市に存在する筋ジストロフィー関連の研究施設。 裏では絶対能力進化計画に関わっており、 『妹達』(ミサカ19090号)の一人が調整を受けていた。 御坂美琴が水穂機構・病理解析研究所に潜入していた頃、 上層部からの指示により、データ移設作業の応援として布束砥信が派遣された。 上層部の意図としては責任の所在を押しつけるためのいわば「トカゲの尻尾切り」としての招集だったが、 布束にも「『妹達』に人間の感情データをインプットすることで、計画の進行に一石を投じる」という狙いがあった。 研究員達の目を盗み、地下の端末を使用して感情の入力を試みるが、 麦野沈利の予測により派遣されていた絹旗最愛に発見され取り押さえられる。 捕縛され掛けながらも隙を突いて19090号へのインプットを行うが、 追加されていたセキュリティーを介さない命令だったため、ミサカネットワークに弾かれ失敗。 抵抗空しく捕縛され、学園都市の暗部に堕ちることとなった。 後日、美琴が侵入を試みた際には撤収作業は完了しておりデータは消去済み、 対外的にも施設の研究撤退が発表されたため、美琴は一時の安堵を得た。 しかし、アドバイザーであるカイツ=ノックレーベンによって計画は事前に外部企業に委託されており、 頓挫しないまま継続していることが後に判明する。
https://w.atwiki.jp/aniwikigalaxystar/pages/275.html
固法 美偉(このり みい) 『とある科学の超電磁砲』に登場。 原作では名前も出ないサブキャラだったが、アニメでは準レギュラーに昇格。 プロフィール 学年、高校生 身長、163cm 体重、50kg スリーサイズ85・60・81 ・所属、第177支部所属の風紀委員(ジャッジメント) ・レベル3(強能力者) ・能力「透視能力(クレアボイアンス)」 ・容姿 眼鏡をかけたセミロングヘア。 着痩せするタイプでプロポーションのスタイル抜群の巨乳クールビューティー。 しかし、中学生時代は美琴や黒子とほぼ大差ない体形で、ほぼ毎日のようにムサシノ牛乳を飲んでいた影響で現在のグラマーな体形になったようだ(ムサシノ牛乳の効果すげー) ちなみに、ムサシノ牛乳を頻繁に飲むのは黒妻綿流の影響である。 名前はテレビアニメ版で判明。 交友関係 ・白井 黒子 黒子の先輩で新人研修を担当した時から性格や問題点を見抜かれていた。 強盗に遭遇した時は、彼女の透視系能力で強盗が拳銃を所持していることを即座に見抜き、さらにその洞察力で、自分の身体を犠牲にしながらも黒子を強盗から救った。 研修などで迷惑をかけてきたこともあり、黒子にとっては頭の上がらない存在の一人。 ・初春 飾利 初春たちが風紀委員になったばかりの頃から先輩として面倒を見ている。 ・黒妻綿流 能力開発に行き詰まって、自分の能力を隠してスキルアウトの「ビッグスパイダー」に所属していた過去を持っており、所属当時は黒妻に想いを寄せており、ビルの屋上の手すりに相合傘を書いたが、黒妻によって消されている。 ・柳迫 碧美 学生寮で同室。 ・蛇谷次雄 ビッグスパイダーに所属していた頃からの顔見知り。 設定 面倒見の良さと厳しさを併せ持ち、御坂美琴も頼りがいのある人物として慕っている。 「透視能力(クレアボイアンス)」は相手を透視することで、隠し持っている物などを発見できる。 格闘能力もそこそこ高く、能力との併用で不良程度は簡単に撃退できるほど。 生真面目で苦労人であると同時に、かなりの天然ボケでもあり、肝心な場面で躓いて転んでしまうなどドジっ子属性も持っている。 美琴に肩車をさせたこともあったり、初春と佐天が美琴に好みの水着を着せようと気遣って説得していた時に、美琴の水着が子供っぽいと漏らしてしまうなど天然な言動が目立ち若干空気が読めない旨も描かれている。 またかなりの大食いであるり、ブランド品には目がない。 テレビアニメ版やOVA版ではプロポーションがさらに強調されており、ビキニの水着姿や全裸の入浴姿はみんなから注目の的となる。 テレビアニメ版では出番が増加し、原作における他の「風紀委員」に代わって登場する場面も存在する。 虚空爆破事件(グラビトンじけん)では同僚の男子生徒と共に登場(ちなみに漫画版とアニメ版とでは、美偉と名称不明の風紀委員の出番が逆になっている) 武装無能力者集団(スキルアウト)編ではかつてレベル2(作中の2年前)だった頃、なかなかレベルが上がらないことに思い悩んでいた過去が明かされ、ビッグスパイダーに所属していた。 蛇谷次雄が人質に取られた事件によって黒妻綿流が行方不明となった(ビッグスパイダー関係者からは死亡、行方不明になったと思われていた) 彼が消えて2年経った現在でも思い続けている。 当時彼とお揃いで仕立てた赤い革ジャンは現在でもクローゼットの中にある。 現ビッグスパイダーの悪事を聞きつけ戻ったきた黒妻と再会し、黒妻と共にビッグスパイダー壊滅に向かい、蛇谷を拘束後、風紀委員である美偉に自ら捕まった。 乱雑開放事件(ポルターガイストじけん)最終話では拘束前に黒妻から預かったバイクに乗りテレスティーナ=木原=ライフラインを追う際に巧みな運転で大活躍する。
https://w.atwiki.jp/tohopocketwarevo/pages/29.html
霊烏路空 入手方法 稼動22日目の『地霊殿シリーズ』より入手。 ステータス 体力 B 攻撃 S 命中 A 回避 C 霊力 65 霊集 58 速度 2 スペルカード 第二弾は稼動26日目、第三弾は稼動38日目。 ※Lv.1での能力です。 名前 MP HIT CRI 近 中 遠 追加効果 入手方法 LvUPによる成長値 核爆「チェーンリアクション」 39 -5 10 60% 130% 0% 一、二 CRI+1~+2 光球「エンドレスライト」 30 0 0 50% 50% 50% 一、三 CRI0~+1 誘爆「神の火」 25 0 0 0% 0% 0% 単体補助 受けたダメージの40%を反射 一、四 MP0~+1 効果+1~+5 焔星「十兇星」 60 5 0 120% 0% 120% 二、三 MP0~-1 HIT0~+1 源符「八咫烏の目」 25 0 0 0% 0% 0% 全体補助 霊力10P回復 二、四 MP+1~+3 効果+1~+3 「ファイナルフュージョン」 91 5 30 240% 60% 0% 三 MP-1 CRI0~+2 「とある科学の核子反応」(U) 54 0 15 90% 110% 90% 3ターンの間、20%の追加ダメージ 四 MP+1~+2 CRI+2~+3 効果+1~+2 ※とある科学の核子反応:にとり+空 各距離の威力上昇は現在値の2~5%上昇なので割愛 スペルカード成長限界値 スペルカードがLv.10のときの最高値です。 赤い数値はスペカマスタリーシステムでは成長しないようです。 ※単位とLvUPでも成長しない能力値は省略。 名前 MP HIT CRI 近 中 遠 追加効果 核爆「チェーンリアクション」 - - 28 89 196 - - 光球「エンドレスライト」 - - 9 72 72 72 - 誘爆「神の火」 25 - - - - - 85 焔星「十兇星」 51 14 - 181 - 181 - 源符「八咫烏の目」 34 - - - - - 37 「ファイナルフュージョン」 82 - 48 367 89 - - 「とある科学の核子反応」(U) 63 - 42 134 165 134 38 アシストアビリティ アビリティ名 効果 オーバードライブ クリティカル率(現在Lv)%アップ。(最大Lv.10) 夢境イベント イベント名 必要レベル 必要キャラ 内容 入手アシストポイント 攻略ポイント お仕事の達人 80 火焔猫 燐 河城 にとりLv.80一人との戦闘 80 核融合の決着? 240 なし パチュリー・ノーレッジLv.240一人との戦闘 240 参考 オールラウンダー、反射、全体霊力回復持ち。 全ての距離に対して高火力のスペカを持ち、霊集も高いため、回転は早い。 「チェーンリアクション」は消費も低く、使いやすいが、他の高火力スペカは消費が大きく連発するのは難しい。中距離の敵を倒した後、残った敵を大技で仕留めるといった運用が効果的か。 ユニオンスペルの「とある科学の核子反応」は追加効果まで含めれば倍以上の火力になるので、にとりと組ませるなら十分アリ。 反射は回避を捨てたキャラに付けて、後に蘇生させる・・・という運用をすれば面白い。 上記の運用を主とした反射特化型を作ってみるのも面白いが、基本は攻撃特化にしたほうが良いだろう。 どの距離で戦うかはメンバーによって考えよう。 アシストに回るキャラではないと思われる。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/2848.html
【種別】 人名 【初出】 とある科学の超電磁砲 PSPゲーム版 第三章 【解説】 学園都市の女学生。 数々の難事件を解決した超エリ-ト風紀委員であり、 その功績を認められ、事件に対する単独での調査権限を持つ。 『死神カキコ』の事件に対して危機感を覚え、自ら調査チームを立ち上げた。 同様に危険を感じていた白井黒子と初春飾利も彼女の傘下に入り、 風紀委員の仕事の隙間を塗って調査を行っていた。 メンバーを指揮するために自身は第一八学区から動かず、 警備員に妨害されない為に、連絡も支部のデスク直通の電話に掛けるように徹底している。 その様子を聞いた御坂美琴は、「風紀委員版の安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)」と評した。 調査を進める美琴達に対して、逐一有益な情報をもたらしてサポートしているように見せたが、 ロケット砲による一澤暁子(の影武者)襲撃事件直後に、 これまで会話していた人物は本人ではない事が判明。 本物の逢辰千余は、事件の数日前から何者かによって監禁されていた。 また、風紀委員のデータベースにも改竄の跡があり、本来の所属も第一八学区ではないようだ。 彼女になりすました『死神カキコ』の目的は、美琴達や警備員の情報を操作する事で、 本当の一澤暁子の場所を割り出すと同時に警備を手薄にする事であり、 美琴達は完全に出し抜かれる結果に終わった。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/2860.html
【種別】 都市伝説 【初出】 とある科学の超電磁砲 PSPゲーム版 第四章 【解説】 学園都市のハッカー達の間で流行している都市伝説。 専門分野に特化した話であったため、佐天涙子も耳にした事は無かった。 この話を持ち出した初春飾利によれば、 最近起きたかなり大がかりなハッキング事件の幾つかは、 実はある一つのゲートウェイから行われた可能性がある。 学園都市のどこかに簡単にアクセスできるスパコン級のサーバーがあり、 そのサーバーを使えばどんなセキュリティでも簡単に突破できる。 というものらしい。 『死神カキコ』事件で風紀委員のデーターベースが改竄された事を受け、 改竄のログが力ずくでなされた様を見た初春は「スパコン級のマシンパワーが必要」と推測。 そこでこの都市伝説を思い出したらしい。 初春はこの『黒いゲートウェイ』らしきサーバーを発見しており、自身も侵入を試みたが、 正面突破ではハッキングどころか、ポートの特定も難しいほどのセキュリティを誇る。 その為、利用者は特殊なバックドアを利用してアクセスしたと考えられている。 御坂美琴の助言からIPアドレスから実物の位置を割り出したところ、 長点上機学園に設置されている事が判明。 御坂達は校内見学を利用して内部に忍び込み、ログの参照を計ったが、 『死神カキコ』が仕掛けた論理爆弾(ロジックボム)によってサーバーは物理的に破損。 ログが消滅した事で再捜査もできなくなり、学内から追い出されてしまった。
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/1417.html
リンクス リンクス アーティスト 三澤紗千香 発売日 2013年8月21日 レーベル ワーナー・ホーム・ビデオ デイリー最高順位 6位(2013年8月21日) 週間最高順位 7位(2013年8月27日) 月間最高順位 20位(2013年8月) 年間最高順位 161位(2013年) 初動売上 8137 累計売上 11704 収録内容 曲名 タイアップ 視聴 1 リンクス とある科学の超電磁砲S ED 2 Relievers ランキング 週 月日 順位 変動 週/月間枚数 累計枚数 1 8/27 7 新 8137 8137 2 9/3 17 ↓ 1987 10124 2013年8月 20 新 10124 10124 3 9/10 ↓ 669 10793 4 9/17 423 11216 5 9/24 261 11477 2013年9月 ↓ 1353 11477 6 10/8 227 11704 とある科学の超電磁砲 ED 前作 次作 Grow Slowly井口裕香 リンクス 関連CD eternal reality ポラリス ユナイト フェイス